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今回、本校の宮田和希君がこのたび埼玉西武ライオンズよりドラフト指名されました。この事は本校職員・学生にとってたいへんな出来事であり快挙でした。そこで、今回は特別企画としまして、宮田和希君を育てあげた野球専攻・藤本政男監督を特集いたします。
プロ野球選手を育てた藤本監督とはいったいどんな人なのか?どんな考え方や指導方針をしているのか?などなど、探っていきたいと思います。
対談風景
(左・野球専攻 藤本監督/右・本校 牧専務理事)
 
牧) 最初に、藤本監督の指導方針・理念についてはお聞かせ下さい。
 
藤本) 第一に野球を通じての人間形成を目指しています。
野球は人がやるものであり、「人間の成長なくして野球の成長無し」と考えております。
「野球」は「人生」に似てますよね。
野球というスポーツは試合終了まで分からないように、人生もいつ何がおこるか分からない。
人生も歳を重ね経験値が増えると、いろんな事ができるようになり過去の出来なかった事ができるようになります。
それに似ていて人間の成長に伴い野球もうまくなっていくと考えています。
 
 
牧) その中で、具体的(技術的な部分以外)に、意識して指導しているところは何ですか?
 
藤本) 誰でも出来る基本的なことをしっかりさせるということ。
時間を守る・約束を守る・挨拶が出来る等・・人として信用を得ることにつながる。そして信頼 される人間につながる。まずは「信頼を得る人間をつくることが大事」であると思っています。また、常時コーチと共に野球に取り組む姿勢、授業及び私生活には注意深く見守っています。
 指導風景
 
 
牧) 野球専攻の監督としてはやっぱ技術的な部分についても聞きます。
名門PL学園・新日鉄堺(社会人野球)で培った経験と知識はどのように生かし指導していますか?
 
藤本) 最初から最後まで丁寧にプレーさせること!最後まで気を抜かないことです!
丁寧にさせることで、集中力も上がるし、質もあがります。
ほとんどの選手は野球の基本的部分をおろそかにし、それでいて「自分がうまい」と勘違いしている学生が多いです。
技術的にというと、投げる・打つについても小手先でやるのではなく、体幹・下半身をフルに使えるよう指導しています。
また、「間」を大事にする!フォーム的なものも大事だが、「間」が悪い子が多い。
 
 
牧) 「間」というのはタイミングのことですか?
 
藤本) タイミングもありますし、「間」といえば、例えば打つという動作に対していえば、投手側の足が着地して、その時トップができていて初めてバットを振る動作に入る。このときに、着地したときの「間」というもの(トップできてや割れているという表現になるが)があるが、甲賀に来る子もそうだが、出来ていないのが多い。
また守るにしても、ゴロが飛んできたときには、捕球の前には少しの「間」というものがある。
ただ何となしに打って・守っているように感じます。
 
 
牧) 野球を続けたい高校生は、大別すると、大学・社会人といった舞台を目指して進む人が多い。
すなわち、本校へ来る学生はややもすれば有望視されていない学生が多いように思われますが・・・
今回、全くの無名選手であった宮田君がドラフト指名を受けたり、多くの卒業生がプロ野球・社会人野球・独立リーグで
活躍できているのはなぜですか?
 
藤本) いいもの(素材)をもっていても、変な癖がありその癖のせいで力を発揮できていない学生が意外に多い。
潜在能力の高い学生はたくさんいるんですよ!
結局その潜在能力を出すための方法としては、基本練習の反復につきますね。
その反復練習に基づいて、数多くの練習試合を行います。練習試合では等分に選手にチャンスを与え、
技術の向上と精神的な強さを確認します。

社会人・大学生との練習試合から見習う点はしっかり吸収させ、学生の「眼」を養うことにも重きを置いています。
その経験を生かして、今年は野球専攻コースから5名がプロ・社会人野球の道へ進みます。
また野球コースに限らず他のコースの学生についても、私は学内では就職部長ですので、2年間で満足した学生については全員志望企業に就職させます。そのお陰で、今でも多くの卒業生から人生の悩み、仕事の問題、恋愛の事まで様々な相談を受けます。多数の卒業生と現在も交流は続いています。

専門学校は、就職がセールスポイントです。本人にあった就職先を見つける事も重要な仕事です。
本校は資格取得と就職を基本にしています。 ちょっと話は逸れましたが・・・ 我々は、上(プロ野球・社会人野球・独立リーグ)につなげるための言わば足場・踏み台なんですよ。甲賀で完成させるというのではなく、成長させる。言い方はよくありませんが、勝敗よりも別の意味で、個人の能力を大きく伸ばせればと思っています。

 
 
牧) ところで今回ドラフト指名を受けた宮田君との出会いはいつですか?

藤本)
2年前の全国大会の大阪予選の1回戦の時でした。
確か、対戦相手は城東工業高校でコールド負けした記憶があります。
その時の敗戦投手が彼でした。打たれても歯をくいしばって投げ続ける 彼に心打たれました。そして後日高校を訪ね、「一緒に野球をやろう」と 誘ったのが始まりですね。
 左・藤本監督/右・宮田選手
 
 
牧) 宮田君ってどんな学生ですか?
 
藤本) 率直に素直で順応性があり、状況判断よく行動できる子ですね。
ムラッ気が無く、コツコツと努力するタイプで、一見おとなしそうに見ますが、マウンドでは思いっきり腕を振り、どんな相手にも臆することなく投げ込む度胸がある学生です。
 
 
牧) その宮田君にはどんな指導をしてきたのですか?
 

藤本) まずは、「小さくまとめない」そして「体力を向上させる」ことが一番でした。
左投手として抜群の素質がありましたから、将来に向けて大きく育てたいと思いました。しかし、人一倍体力が無かったんです。入学当初から走る姿は弱々しいく、投げても途中までしか持ちませんでした。そのため毎日走らせて体力をつけさせることが大事でした。

試合ではそう毎回うまくはいきませんので、起用法には、自身を無くささないためにも気を配りましたね。
技術的にいえば3点。「右手の使い方」(体の後ろに引かないことに注意する)「体重移動」(ステップ後の軸足からの体重移動に気をつける)「体が上下しない」(まっすぐ打者方向へ向かっていく)ことを中心に指導を重ねました。宮田はその教えを素直に聞ける学生でしたので、順調に伸びていきました。
また、今では自分の決め球となっているスライダーは自分なりに握りを変えたりして工夫し、縦のスライダーを習得しました。

 
 
牧) 一つの目標であるプロ野球選手は誕生したわけですが、これからの将来の目標、夢はなんですか?
 
藤本) やはり、チームとして学校として、専門学校初・地域(甲賀市)の代表として都市対抗野球(東京ドーム)・日本選手権(京セラドーム)へ出場すること。そして出場して、ドームの観客席を甲賀市民の方々で埋め尽くしたいと思っています。
日頃から大変お世話になっている、市当局の皆様を始め、練習・試合等で優先的に使用できる設備の整った甲賀市民スタジアムの関係者のためにも、是非とも実現させたいですね!
それと、宮田に続く第2のプロ野球選手を出すことです。今回隠し玉として身をひそめていましたが、次は誰からも注目を浴びて、プロの世界へ送り出したいですね!
 
 
牧) 是非とも、専門学校初の快挙を成し遂げてほしいです。甲賀市の名前が大きく全国に知れ渡ることで、地域の活性化にもつながるわけだし、この夢は来年には叶えて下さい!今後とも更なる飛躍を期待しています!
 
藤本) 期待に応えるよう全力で努力します!
 
【プロフィール】
藤本 政男(ふじもとまさお)
1956年5月27日生・大阪府出身。
名門・PL学園高校では甲子園出場。
卒業後、新日本製鐵堺に進み内野手として活躍する。
現役引退後、新日本製鐵堺でコーチとして指導者の腕を磨く。
92年に本校コーチに就任すると、96年に監督就任。
2007年には日本代表コーチとしてアジアAAA国際大会に出場。
監督就任から現在までの12年間の間に、プロ野球・社会人野球へ多くの卒業生を送り出している。
 アジアAAA日本代表コーチ(左側)